Chikanism

現実と非現実のあいだ

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

コーヒーの香りのあの街

コーヒーの香りなんてそこらじゅうに溢れてるはずなのに、なぜかありふれたコーヒーの香りでバンクーバーの街を思い出した。 通っていたカレッジのあるガスタウンは少し古い面影を残す街だ。レンガ造りの建物が並び、風情がある。蒸気で動く時計があって、た…

薬剤師国家試験の心得

最近検索での流入が多いので、国試のことを。 いつから勉強を始める? まず、今(9月)から勉強を始めても間に合います。わたしは8月くらいから始めましたが、最初のうちは勉強の仕方がわからず全然進まないし、できないし、覚えられないし。やってもやって…

ゴールは来ない

社内にはまだ8割くらいのひとが残っている夜18時半過ぎ。お客様から電話がかかってきた。「ちかさんまだ会社にいますか?よかった~~!○○の件なんですけど…」 わたしが会社にいるとわかると、すごく安堵したような声を出す相手。まだ1回しか会ったことはな…

笑顔でいられる人になりたい

表情は相手のためにある、ってどこかに書いてあった。自分の感情を自分のために伝えるんじゃなくて、相手のため。不機嫌そうにしてたら「なんか気に触ることしたかな?」って相手に思わせてしまうってことかな。 「なんか怒ってる?」 先輩が言った。営業で…

オレンジの街頭は寂しくなる

バンクーバーの街頭はオレンジ色だった。 冬は暗くなるのが早かったので、16時ころにインターンが終わって帰っても道は暗かった。でも時間が早いというのだけが救い。たまに夜遅く帰るときは心細かった。一人で異国の夜道を歩くのはなんとなく寂しかったのだ…

25歳と26歳のあいだ

冷静と情熱のあいだ、生物と無生物のあいだ、25歳と26歳のあいだ。なんとなくそれっぽく聞こえる気がしたので並べてみた。あいだってなんなんだろう。どこで明確に変わるんだろう。 年齢は幾分か「あいだ」がわかりやすい気がする。生まれて26年目に入れば26…

赤いマフラーとドーナツ

地元の最寄り駅に寂れたショッピングモールがあって、最寄り駅なので(とはいえ家からはバスがないとたどり着けない)中学生の頃からよく通っていた。何階のどこにどんな店があるかは隅々まで把握していた。 大学生になって原チャに乗るようになってほぼ使わ…

コーヒーの味なんて気にならなかった頃

コーヒーの無料券があるから、帰りにマクドに寄ろう。わたしはそう言って彼女を誘った。 彼女はすぐに行くと答えた。わたしたちはバスで駅まで向かって、駅の近くのマクドナルドに入った。 高校3年生の夏。帰りにカフェに寄るお金なんてなかった。マクドナル…

置き去りにしたものたち

まだ暑さの残る9月5日、ちょうど2年前にわたしはバンクーバーへ向かう飛行機に乗っていた。一人で飛行機にのるのは初めてだった。 一人で降り立ったバンクーバーの空港で、iPhoneを取り出して空港のWi-Fiに繋いだ。機内モードを切っても電波は入らない。スマ…

誰もわたしを待ってない

家を出て、2時間歩いた。行き先は決まっていた。いつも仕事に行くときにバスで通る、バンクーバーとノースバンクーバーをつなぐライオンズゲートブリッジ。 どうしてもあの橋を間近で見たかったし、そしてそこから夕日が見たかった。 あの大きな橋を本当に人…

小さくなった劣等感

留学してたころ、クラスのみんなはわたしより数倍英語が話せた。わたしは中高大とずっと英語はできるほうだったけど、そんな日本のなかの「できる」なんて通用しないレベルだった。英語って英語を話さざるを得ない環境にいくと本当にぐんと上達するもんだ。 …