Chikanism

現実と非現実のあいだ

コーヒーの香りのあの街

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コーヒーの香りなんてそこらじゅうに溢れてるはずなのに、なぜかありふれたコーヒーの香りでバンクーバーの街を思い出した。

通っていたカレッジのあるガスタウンは少し古い面影を残す街だ。レンガ造りの建物が並び、風情がある。蒸気で動く時計があって、ただの時計なのにちょっとした観光スポットだ。そのすぐ横にスタバがあって、観光スポットの近くだから常に混雑している。

 

わたしはそれまであまりカフェに行かない人間だったのだけれど、自販機がないこの街ではカフェ以外にどこで飲み物を手に入れたらいいのかわからないくらいカフェだらけだったし街を行く人はみんなコーヒーを片手に歩いていた。

 

わたしがよく行っていたのはその蒸気時計をスタバをもう少し通り過ぎたところのThe Coffee Barというカフェだった。ここは少し落ち着いたところで、人もそんなに待ってなくて、言わば穴場。チャイラテが美味しかった。

「どこか水を買えるところ知らない?」と聞いたら先生が教えてくれたのだ。

 

朝ルームメイトたちと家を出てバス停でバスを待っていたあの時間、駅から学校までぼんやり歩いていた道、たまに行ったジャパニーズレストラン。

 

最近の肌寒さは9月のバンクーバーみたいだ。空気が少し澄んで、ちょっと寒くて、コーヒーの香りが漂っていた街。