Chikanism

現実と非現実のあいだ

あなたの綺麗な横顔を、もっと見ていたかった

数日前に親友の結婚式に参列しました。友人は美しくて、新郎と仲良しそうで、とても幸せそうだった。
私と彼女は中学からの同級生で、大学で仲良くなった。付き合いとしては15年近くなる。そこまで仲良くなかった中高生のころも、彼女のお付き合いしている相手はなんとなく知っていた。
美しくて聡明、楽器や音楽も嗜むまさに才色兼備みたいな彼女はよくモテたと思う。イヤミもなくて素直でかわいく、不器用な一面もあって、仲良くなってからは私のことも大切にしてくれた。

大学では彼女ともうひとりのかわいい女の子と私の3人でいつも一緒にいた。毎日呆れるほど授業があったけど、いつもお決まりの席を確保して、こっそり落書きしたり、おやつを食べたり、ちゃんと授業を聞いて過ごした。私たちのおしゃべりは、時に「いつもあなたたちが話してるの聞こえるよ」と他の子に笑われるくらいだった。
くだらない話ばかりしていた。いつもレポートを作るのがギリギリだった。誕生日会もしたし、クリスマス会もしたし、ユニバやディズニーにも行ったし、旅行もした。

そんななか、私が1人でカナダに留学することを決めた。当たり前のように、一緒に授業を受けて、一緒に国家試験の勉強をして、一緒に卒業する未来を思い描いていたはずなのに、私は2人と卒業する未来を捨てて時差が10時間近くある国に行った。もちろん国家試験も一緒に受けないし、一緒に勉強もできない。寂しい、と彼女たちは言ってくれた。卒業旅行に、カナダまで遊びにも来てくれた。

帰国後は1人で就活も国試勉強も受験もしたけど、彼女たちが関西に残るのに対して私はまた、当然のように東京へ出ることを選んだ。

 

東京へ来てもうすぐ2年、留学のために私が別の道を進んでから3年。毎日一緒に笑っていた日々はもう遠い過去なのだった。
彼女が結婚した相手は、何度か会わせてくれたけど、彼女が勤め先で出会った人だ。前の彼と別れたことも、彼と付き合い始めたことも、プロポーズのことも結婚のことも聞いてはいたけど、リアルタイムでは共有していない。例えばデートで何を食べたとか、どんなことでケンカしたとか。

彼の隣で笑う彼女の笑顔は、私の知らない笑顔に見えて、少し寂しくなった。

 

私が近くにいたからってそれを知り得たわけじゃないけれど、物理的な距離ともう戻れない過去が相まって、もうこんなところまで来てしまったんだなと喪失感さえ感じた。
当たり前だけど、すっかり大人になった。「○歳までに結婚したい」なんて冗談を言っていた頃とは、何もかもが違う。
一方私は「別に結婚したくないな」という気づきを得たりしているので、一生を共にしたいと思える素敵な彼と出会って結婚を決めた彼女は、私よりずっと人生の先を歩いているんじゃないかという感覚に陥る。

 

「いつも遠くへ行っちゃうけど、自分の決めた道を進めるあなたはかっこいいよ」と言ってくれた。ずっと友達でいたいと思える人に出会えて、私はなんて幸せなんだろう。

素敵な彼と、もっともっと幸せになってね。

 

今週のお題「応援」