Chikanism

現実と非現実のあいだ

たくさんの瞬間を更新して

大好きな先輩と飲みに行ったら、彼は話の中で「人生で一番楽しかった時期っていつ?」と聞いた。

わたしはちょっとだけ今までの人生を振り返ってみたけど、悩む間も無く「今ですね」と答えた。

先輩は驚いたようで「今なの?それすごいなぁ」と言う。すごいんだろうか。いつだって今が一番だ。

 

先輩にとってはたぶん今が一番じゃないんだろう。前職のときかな、大学時代?もしくは高校生とか。

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人生をやり直して違う選択をしたいと思ったことはたくさんある。でも、ただ同じ人生を繰り返すだけなら、もうやらなくていい。この人生は一度でじゅうぶんだ。

中学も高校も大学も、もう二度とやりたくない。家族と一緒に住むのは、もう一度やってみたいかもしれない。

 

 

もちろん戻りたい一瞬一瞬はたくさんある。忘れたくない瞬間、ときを止めてしまいたかった。何度も何度も思い出して、色褪せてしまいそうな。

たとえば親友とくだらない話をしながら高校から駅まで歩いた帰り道、機嫌損ねて怒られることも多かった妹との旅行、初めての彼氏との初めてのドライブデート、学部の友達とドラマのモノマネして笑い転げた旅先のホテル、初めて案件を受注した日の高揚感、好きな人と手を繋いで歩いた深夜の交差点、朝起きたら繋ぎっぱなしだった通話から聞こえてきた彼の寝息。

 

そういう数々も、更新されていくんだろうな。だって今が一番楽しいし、戻りたいくらいの瞬間はきっとすごい速さで過ぎていく。

でもそういうたくさんでわたしはできてるからな、やっぱり今が一番だよ。