Chikanism

現実と非現実のあいだ

平成最後と令和最初

「新しい元号発表されたね」「今日も記念日だよね」「今日が平成最後のエイプリフールだよ」

平成31年4月1日の仕事終わり、会社のビルの近くにあるラーメン屋さんで同期と話した。「今ならまだ平成のうちに結婚するってのも間に合うかもよ」などと笑って言った。

 

f:id:chikanism:20190502235603j:image

 

 

あれから約一カ月、ちょうど2日前に元号は平成から令和に変わった。わたしは自室にいて、なんなら微熱で寝込んでいた。

日付が変わったって、なにもかわらない。平成のときと同じ速さで時計の針は進む。わたしの中身も外見も、急に大人になったりはしなかった。

 

 

令和になってすぐ、ゴールデンウィークの半ばに実家に帰ってきた。正確には、大学時代の後半を過ごした祖父母の家だ。

手を洗おうと思って洗面所に行くと、平成29年のわたしが大量に貼った、薬剤師国家試験の対策用のメモがまだ壁に貼られていた。

f:id:chikanism:20190502233917j:image

お風呂あがりに髪を乾かしながらとか、トイレとか、化粧水を塗りながらとか、ついでにスクワットをしながら眺めていた。たまには呟いたり。

ここで毎日を過ごしていたのももう2年も前で、東京からここまでの道のりだけでも変わったところはたくさんあって、知らない店も建物も色々あった。あの頃と同じではないことを思い知らされた。元号が変わったって何も変わらないはずだったのに。

 

 

明日は久々の友人と会う。行き先について決めていたら、「先に報告なんだけど、実は結婚することになりました!平成最後のプロポーズでした(笑)」と彼女からメッセージが届いた。

インスタグラムを見ていたら、仲良かった子が「令和1日目に入籍しました」と投稿していた。

26-27歳って結婚ラッシュだなと思っていたけれど、「平成最後の日」や「令和最初の日」の報告の数を見て、そしてついに親友と呼べる人の結婚報告を受け、元号が変わることが人生の大きな節目に相応しい大きな出来事だったんだなとようやく実感した。

 

昨日と今日、今日と明日、大きく変わらない。同じはずの日々を積み重ねて、あの頃とは大きく違う今がある。

元号が変わっても何も変わらなくて、でも大きく違う。そういう節目をハッピーな雰囲気で迎えられて良かったんだと思う。わたしが「平和のときもさぁ、」と言って「平成でしょ。令和とごっちゃになってるじゃん」と、いつもボケ役の同期に笑われた平成31年の4月1日を思い出した。平和な時代になりますように。