Chikanism

現実と非現実のあいだ

今だから言えること

国試が終わったので、載せておきます。

違うところで国試1ヶ月前に書いたもの。まぁまぁ暗い内容です。

 

 

*******

あとちょっとやん、がんばって、その言葉がわたしの頭のなかでぐるぐる回る。そうだ、あとちょっとだ。

9月ころから本格的に勉強を始めた薬剤師の国家試験が、あと約30日後に迫っている。早く終わってほしいけどまだ本番が来てほしくない、そういう感情が正しいのかもしれない。正しいってなんだ?

ただ早く終わってほしい。わたしはもうそれしか考えられない。もう少し直前になれば違うのかもしれないけれど。

6年生の後期から休学して半年間留学していたので、同学年の友人たちは一足先に卒業していった。わたしは毎日、友人のいない大学にひとりで通って、ひとりで授業を受けて、授業後や土日も図書館に通って勉強した。

友人たちが先に卒業して、一人で国試の勉強をすることになるのは、留学を決めた時点でわかっていた。当然、おそらくそれは簡単ではないこともわかっていたし、みんなと卒業したい気持ちもあった。でも、実際やってみると、想像していたより辛かった。それだけのことだ。

飽きるほど食べた大学の食堂のごはん、生協のコンビニのお弁当。ぶっちゃけ見たら気持ち悪くなるほどだ。お腹が空くから食べるけども。一人で大学に通うのはそんなに苦痛でもないけれど、勉強があるからそうそう他人と遊ぶことはないし、あったとしても夕飯を食べに行くくらいだ。毎度、重たい教科書を抱えて。

久々に会う友人は、わたしの国試のことなんて知らないので、「毎日何してるの?」と無邪気に言う。「勉強だよ」と言うと露骨に「は?」という表情をする。

別に誰かにわかってほしいわけじゃないのに。でも、苦しくなる。大学生という単語でイメージされる、「暇で遊んでいる」というニュアンスや、たいして授業に出なくてもとれる単位や卒業、内定先でもうインターンをしている卒論や試験のない同期たち。羨ましいとか、ずるいとか、悔しいとか、しんどいという気持ちがごちゃまぜになって、わたしの中で渦を巻く。

ところでわたしは、インターネット関連の会社に内定をいただいたので、薬剤師免許をとっても使う予定はない。だけどこれはケジメなので、とると決めた(し、国試に準ずる大学の卒業試験に受からないとどのみち卒業ができない)。

それがより一層わたしを辛くさせる。卒業を控えて、卒業旅行にいそしむ人たち、試験を終えて春休みを満喫しはじめるひとたち、友達や恋人と遊んでいる写真や美味しいものを食べている写真が次々アップされるインスタグラム。

それに比べたら、特に恩恵を受ける予定もない国家資格のために費やす時間、味気もないし曜日感覚もない毎日、一人で食べる美味しくない食べ物、教科書で重たいカバン、見飽きた問題たち。あとたったの30日、と他人は言う。

でも、でもね、わたしはこの生活がまだあと30日も続くなんて、とてつもなく長く感じるし、絶望的な気持ちになる。新生活は楽しみだ。早く仕事もしたい。内定先も希望の会社だし、4月からの生活は楽しみしかないのに。

あと30日。きっと終わってみたらすぐなんだろうけど。まだ、30日もあるのか。この大学と家を一人で往復するだけの、一日だれともしゃべらない、美味しくないものばかりを食べる日々がまだ続くかと思うと、涙が出る日もある。ここ3日くらいそういう日が続いているけれど、終わったらこの日々も笑い飛ばせることを祈って、寒いベランダで月を見た。

 

*******

 

文字通り笑い飛ばそうと思って載せてみた。

直前期に一番つらかったことは、何も生み出さないのに消費し続けることでした。お金とか、食べ物とか。半年はバイトもしてなかったので、何をするにも消費するばっかりで、コンビニで食べ物を買うだけでどうしようもなく辛かった。

 

終わってまだ1週間だけど、毎日いろんなひとが会ってくれて、たくさん話して、楽しい。誰かと話すって本当に素晴らしいことだなぁと実感してる。しょーもないことで笑い合える相手がいることは本当に最高だ。

みなさんありがとうございます!