「グロースハッカー/ライアン・ホリデイ」を読みました
「グロースハッカー」を読んだ。
いまさら?て感じなのかな。
遡ること1年前、わたしは薬局実習のさなかであった。
薬剤師免許を使わないことを決意した(そもそも取得できるかどうかという問題はさておき)わたしにはあまり意味を為さない時間ではあったが、少なからず利点があった。
まず研究室に行かなくて良い。大学は陸の孤島みたいな場所にあるため、交通の便も悪いし自宅からも遠い。その点、実習先の薬局は自宅から原チャ+徒歩で30分もあれば余裕であった。
次に、家から近いということはつまり市内であり、交通の便がよい。
最後に、定時であがれる。9時に始まり5時に終わる、ホワイトな環境であった。研究室のほうが拘束時間が長いのは言う間でもない。
この3つが組み合わさって、わたしは5回生の夏、非常に意識の高い日々を過ごした。サマーインターンの説明会や選考会に実習後に出向き、意識高い系の話を聞いては意識の高い人に会い、グループディスカッションを重ね、セミナーのようなものに参加した。
もっとも、本番に進んだ企業は少ない。
なぜこの話をしているかというと、この意識高い活動の中で勧められたのがこの「グロースハッカー」だったからだ。
どういうくだりだったかは覚えていないが、わたしは本のタイトルをメモし、興味を持ったので帰ってからamazonで購入した。
で、そこから1年。読み始めるまでに1年もかかってしまった。
なぜ、あのとき読んでおかなかったのか。という後悔はしても仕方ないが、おもしろかった。
出てくるグロースハックの例が見知った企業のものが多いので「あ〜なるほど」と思いやすい。最後の解説でクックパッドの実例も出てくるのだが、それもおもしろかった。
以下、気になった箇所を引用。↓
グロースハックとは?
そもそもグロースハックとはなにかということから。
「マーケティングの本質はずっと変わらない 顧客が誰で、どこにいるかだ」
マーケティングに困っているわけではないのだけど、確かにそうだよなぁ、これに尽きるなぁと思った。
マーケティングで絶対にやってはいけないことは何だかわかるだろうか?それは「誰も欲しがらないものを売ろうとする」ことだ。
これは本当にそうで、自分が学園祭の実行委員をやっていたときのことを思い出した。
いつもどのように広報するか?を考えていた(広報担当だったとき)が、心のどこかで「大学生は学園祭なんて模擬店出してウェイするだけのイベントだと思ってるんだろうな」と思っていた。
「学園祭おもしろくない」とも言われたこともある。
なのに、 内容をもっと充実させるには、大学生に楽しんでもらうには、参加したいと思わせるにはどうしたら良いのか、ということをあまり本質的に考えてこなかった。
わたし自身もそうだし、組織全体としそうで、今までやってきた通りにやろうとする風潮が強く、真新しいこをと考えて試そうという雰囲気はなかった。
なのにお金をかけて広報をして集客しようとしていたな…。
これがグロースハッカーの思考法だ。いかに低コストでふさわしい相手に訴求するかだ。
ふさわしい相手をどこで探せばいいか?そんな質問をするようでは、製品立ち上げを検討できるレベルまで市場をしっかり把握できていないということだ。
市場の把握が大事ってことだ。
クチコミは偶然には起きない。設計するものだ。
どんな広告よりクチコミは強い。
だけど本当に他人に伝えたいと思ってもらえるものしかクチコミされない。だからモノ自体をよくするのは当然で、それにプラスでクチコミを促進するような方法を考えなければならないのだな。
この本はグロースハックの方法を述べているわけではなく、グロースハッカーにおけるマインドセットを説いたものであると公言している。
わたしは今ただの学生で、ビジネスをしているわけでも作りたいものがあるわけでもないけれども、このマインドセットはタメになるし、読んでよかったと思う。
かなり簡潔に、軽く読める本に仕上がっているので導入には良いだろう。もう少し深く知りたいと思った。
他にもこんな本読んだよ↓