Chikanism

現実と非現実のあいだ

薬と副作用と構造式の話

モーラステープの副作用の光線過敏症のことが話題になってましたね。

ameblo.jp

 

薬って病気を治すためのものだから、副作用のことって忘れられがちというか。特に市販薬だったり、目薬や皮膚の薬はそういう傾向が多い気がします。

でも全部薬です。そもそも身体に何かしらの影響を与えることを目的につくられたものだから、副作用が出てしまうことも当たり前。もちろん薬を作っているひとたちもそれを最小限にしたいと思っているし、処方する医師も、手渡す薬剤師も、副作用が出るのは仕方ないとは思ってません。

だからちゃんと伝えるし、体調や副作用歴や他に飲んでる薬を確認する。

 

103回の薬剤師国家試験では話題のモーラステープの主成分、ケトプロフェンの構造式が問題に出ていました。

f:id:chikanism:20180504000113p:plain

全問題はこちら→

第103回薬剤師国家試験問題及び解答(平成30年2月24日、2月25日実施) |厚生労働省

 

答えは5のフェノフィブラート(高脂血症の薬)で、構造式が似てるからということだと思います。ちなみに2のジクロフェナク(痛み止め)も光線過敏症の副作用が報告されているので2も5も両方正解になっています。わたしはめっちゃ悩んで2にしましたが正解になってよかった。笑

 

そういえば構造式の問題で、というか103回で結構印象に残ったのがこれ。

f:id:chikanism:20180504001331p:plain

f:id:chikanism:20180504001344p:plain

 

ビタミンは尿が黄色くなることが多いんですが、その話ですね。リボフラビンビタミンB2)とか。207の5がリボフラビン。他は調べてないしもう覚えてないのでわかんないけど、4がビタミンCなことはわかる。

207の設問で長い共役系があれば…と書いてるのでリボフラビンがわからなくても5を選べます。

水溶性のビタミンは多量に摂取してもすべて尿で排泄されるので、基本的に摂りすぎは問題になりません。ビタミン剤とか栄養ドリンクとか飲んだあとに尿がいつもより黄色くなった経験がある方は多いハズ。

ちなみに解答は206が3と4で、207が5です。

尿が着色すると恥ずかしいので…って。誰に見られるわけでもないのにな〜とも思ってしまいますが、そういう配慮も必要なんだなとか思いました。

 

話は逸れたけども、薬って万能じゃない。薬がダメとかじゃなくて、メリットもデメリットもあることを理解して、良い付き合い方をしていけるのが理想だな〜と思います。

頭が痛いときは痛み止めを飲むし、眠れなかったら睡眠薬を飲むこともある。わたし(というか薬に関わるひとたち)の役目は闇雲に不安を煽ることじゃなくて、やっぱり適切な付き合い方を提案していくことなのかなと思いました。わたしは実務経験がないし、これからも薬剤師免許を使った仕事をする日が来るかどうかわかんないけど、でも薬そのもののこととも、病気や身体のことも、他の人よりは勉強したしリテラシーもあるから、そういう部分を周りの人に還元していけたらなあと考えています。

おわり。