Chikanism

現実と非現実のあいだ

わたしのサンタさん

25歳、就職で上京するまでずっと実家に住んでいた。その間、バンクーバーに住んだり祖父母宅に住んだりしたこともあったけど、基本的にはずっと京都市のちょっと外れで過ごした。

小学校から私立に入学したので近所に友達は住んでいなくて(それでなくても子どもが少ないところだった)、小さい頃はお稽古ごとに通ったり、家でお絵かきをしたり本を読んだりして過ごしていた。

2つ年下の妹がいた。妹はわがままで、一人では何もできない子だった。よくケンカもしたし、反抗期には無視され続けていたときもある。でも基本的には仲良くしていた。


わたしが中学生になった年のクリスマス、母はわたしを連れてクリスマスプレゼントを買いに行った。妹のためのゲームソフトだ。「あの子はまだサンタさん信じてるのかなあ。幼いなあ」と言いながらどこか嬉しそうな母。いま思えばいつまでも子どもでいて欲しかったのだろう。子どもらしく振る舞うのも親孝行だと、24歳になった妹は言うけれど、それもまた真実だと思う。妹がサンタクロースを信じていると思いながら、なぜわたしはもうサンタさんの真実に気づいていると思っているのだろう、と13歳のわたしは思っていた。

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当然わかってはいたけど思わぬ形でネタバレをされたクリスマス、それでも朝起きたらわたしの部屋の入り口にはクリスマスプレゼントが置かれていた。妹が喜んでいるので、わたしも何も知らないフリをした。

その後も、何年経っても、クリスマスの朝は起きたらプレゼントが置かれていた。大きくなって寝る時間も遅くなったし、母が夜寝る前にセットするのでは気が付きそうなものなのに、いつも朝まで全く気が付かないのだ。

 

それはわたしが23歳になるまで続いた。「クリスマスにこれ買って!」などと、大人になってからもクリスマスにはちょっと高いコスメやシャンプーなどをねだってはいたものの、クリスマスの朝にはしっかりそれとは別のプレゼントが置かれていた。サンタさんはいたのだ。

24歳、バンクーバーで過ごしたときはさすがにサンタさんは来てくれなかった。25歳、祖父母のマンションに住んでいたときは、大学から帰ってきたら大きな紙袋が置かれていた。わたしは迷わず母にLINEした。

 

でももう、東京の一人暮らしのマンションだ。サンタさんがくるはずはない。

いつまでもわたしのサンタさんでいてくれた母が近くにいないことを、久々に寂しく思った。(クリスマスはまだだけど)

 

せっかくなのでカナダのクリスマスの記事も見てください! 

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