「好きなもの」は突き詰めない
「好き」は突き詰めない方がいい。なくなっていくから。
私は好きな食べ物を買いだめするタイプだ。でも、食べ続けるうちに飽きて嫌になってしまう。
ココナッツポッキー、グラノーラ、チョコレート。
美味しいと思って同じものばかり食べていると、反動でもう2度といらないという気持ちになる。
学生の頃、分子生物学に興味を持った。研究室はそれに近い分野を選んだが、深く知ると(研究すると)難しくて嫌になった。
知りすぎると、嫌な面を知ってしまうのだ。(浅い)
化粧品が好きだった。
メイクさんになりたいと思っていたほどだ。結局、専門学校には行けなかったので、製薬メーカーで化粧品を作れたらいいと思い薬学部に進学した。
回り回って美容系の会社に就職したが、別にそこまで化粧品が好きではないことに気づいた。
情報収集も人並みだし、たくさんのコスメを買い集めたいとも思わない。コスメコンシェルジュの資格もとったが、とってみてわかったことは「そんなに興味がない」ということだった。
私が好きなのは「化粧品を使って自分を良くすること」であり、化粧品自体にはそこまで興味がない。
成分にも特にこだわりもないし、調べたりもしない。
こうやって好きだと思うことを突き詰めていくと、だいたいの場合「そこまで好きでもない」という事実に気づく。
それは周りに「その対象のことがもっと好きな人」がいるからでもある。好きには勝てないのだ。
好きなものは突き詰めるものではない。
少し距離をとって楽しむ程度が一番良いのである。私には。