Chikanism

現実と非現実のあいだ

好きな人の好きなものを好きになったり、好きだった人の好きだったものを嫌いになったりして過ぎていく夏

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夏の恋は様々な理由で終わるがひとつ共通点がある
それは流れ星に似ている

天井を熱く燃やし、一瞬、永遠が見える

 

これは映画「君に読む物語」に出てきた言葉。

 

いわゆる夏の恋、はしたことがないけれど、さいきんは梅雨が明けて空が青くて蝉の声が聞こえて、愛おしい夏がやってきたのだなと実感する。

 

うだるような暑さの中、昼までの補講が終わって付き合い始めたばかりの彼氏と汗ばんだ手を繋いで、何を話そうか考える束の間の沈黙。

あるいは涼しくない夏の夜に、着慣れない浴衣を着てやってきた地元の夏祭りで、2人でりんご飴を買って階段に座って食べる咀嚼音。

そんなときは、それが永遠に続くように思えてしまうものだ。

経験ないから想像だけどね。

 

 

 

彼は「食べ物、何が好き?」とわたしに聞いたあと、わたしが答えるのも待たずに「俺はね、いろいろ好きだけど、カルピスがすげー好きなの」と言った。「それ、食べ物じゃなくて飲み物じゃん」と思ったけど、とても嬉しそうに言うので、なにも言えなかった。

その日からカルピスはちょっと特別な飲み物になった。

 

 「果実酒なら、杏露酒がおいしいよ」と彼が言って、わたしは「シンルチュウ、」と言い慣れないお酒の名前を繰り返した。

炭酸は好きじゃないのに、今でもたまにシンルチュウのソーダ割りを頼むことがある。

 

「俺がテレビ好きだから、テレビのチューナー買ったんでしょ?」と言われたので、わたしは「違うよ。見たかっただけ」と強がった。あなたが好きなものをわたしも好きになりたい、なんて言えなかった。

それはほとんど使われることはなく、罪悪感とともに引き出しに仕舞った。

 

 プレゼントなんてほとんど貰ったことなかったのに、ピアスを貰った。次の日はそのピアスをつけて、写メって、嬉しそうにLINEを送った。

物に罪はないと世間では言うけれど、別れたときには一番に捨てたし、そのブランドはまだ避けてしまう自分がいる。

 

 

 

こうやって、好きな人の好きなものを好きになったり、好きだったけれど今は違う人の好きだったものを嫌いになったりしながら、夏が、日々が、過ぎていく。

すべてがそうではないが、わたしは、いくつかの恋の影響を少なからず受けて今のわたしになった。

言葉を口にしてから、「そういえば、これはあの人の口癖だったな」なんて思うこともある。

もう好きじゃないのに、カルピスが似合う夏のことは大好きなわたし。

 

夏は、暑くて、鬱陶しくて、愛おしい。

 

 

 

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ちなみにですがわたしはひまわりが大好きです。

というのも、大好きなバンド「ムック」のボーカル逹瑯さんがひまわりが好きと言っていたから。

納豆も好きで、特におろしだれ納豆が好き。

というのは愛するG-DRAGONの冷蔵庫に常備されていると知ったから。

 

そしてそんな2人の誕生日は8月。

8月!!こんなに愛おしい月が他にありますか??

答えはノーだ。

 

閑話休題

2日ほど前に、読者さまが77人になったラッキーセブンだあ!みたいなことを書いたのですが、なんと今は88名になりました。

8は末広がりだし∞とも似ていてなんとも素晴らしい数字です。本当にありがとうございます。