Chikanism

現実と非現実のあいだ

同じオリオン座が見れないってこと

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バンクーバーは港町で、都会と海と自然が全部ぎゅっとされたような街だ。東京よりビルは低いらしいが、京都出身のわたしには全部が高層ビルに見える(京都だったら10階でも高い方だ)。

海もすぐ近くにあり、スタンレーパークという近くの公園へ歩いて行くと、バンクーバーの街と海が綺麗に見える。水面に映るビルの灯りに、わたしは感動した。

 

このあいだ、「オリオン座が綺麗に見えるよ」と言われて、わたしは「バンクーバーでも冬にオリオン座が見えるんだね」と言った。よく、「離れてても同じ空の下にいるんだ」という表現があるけれど、それもここにいるとそうでもないのかなと思う。見てるのはオリオン座だけど、わたしがここでオリオン座を見ているとき、日本はお昼なのだ。日本から「オリオン座が綺麗だよ」と言われても、わたしはそのとき寝ている時間だ。同じだけど同じじゃない。時差とか、距離とか。近くにいないってことの大きさを感じた。本当に、離れているんだ。

 

この1ヶ月、たくさんのことがあった。いろんなことがあって、感じることが多すぎて、感情が追いつかなかった。嬉しいことも悲しいこともたくさんあって、悩んだし、考えたし、凹んだこともあったし、でもそれ以上に嬉しいことも楽しいこともあった。でも考えても考えても答えがわからないことばっかり。なにが正解かなんて、後になってみないときっとわからない。だけどそのとき精一杯悩んで考えて出した答えならそれが正解なのかなって気もする。

言いたいことを言えないのは弱さでもあり、言いたいことを言わないのは強さでもあることがわかった。だけど気持ちは伝えないと伝わらなくて、言わなくたってわかるってのはエゴでしかなくて、伝えたいことを伝えるのは強さで、伝えないのも優しさであることもわかった。意見も主張も感情もまともに口に出せないわたしだけど、もっと意識して大切な人に大切なことを伝えられるようになりたいと思った。わたしはそのために言葉を使いたい。

 

 

「運命ならば 巡り会えるさ

 あの星に願おう once more again」

Another Orion/藤井フミヤ