Chikanism

現実と非現実のあいだ

だから、人と会うのが好き

きのう、おじさんたちと飲んだ。

おじさん2人は男子校出身で、それぞれ女性に対して違う概念を持っていた。

 

1人は、「高校までずっと周りに女がいなかったから、何もしないでいると自分の周りから女はいなくなってしまうっていう強迫観念みたいなもんがある。だから肉食系とか草食系とかそういう概念ちゃうねん。動かないなくなってまうねん」と。

彼はよく営業をナンパに例える人だ。就活は恋愛に例える。(これはよくある)

わたしは、「でもナンパされても、ふつうは無視しちゃいますよ」といった。

彼は「だからこそ腕が試されるんや。俺はね、いま街中でちかちゃんに会ったら絶対ナンパで口説けるよ」という。

 

おじさんはインターン先の社長だ。40代。

「女は完全に違う生き物やねん。だから、怖い。わかんないから。いつも、相手が女だっていうだけで身構える。頭の中でいろんな反応を想定して、話すことも3パターンくらい用意して、そんで男に接するのと変わらんように接してんねん。」

わたしたちは、社長が、インターン生が男でも女でも特に変わらないように思っていた。でも、本当は部下は男の方が接しやすいし、いろいろ考えた上で同じ対応に見えるように振舞っているのだそうだ。

 

もう1人は、社長の中高の同級生のデザイナーさん。

彼は「中高ずっと周りに女性がいなかったから、むしろ話してくれるだけでありがたいと思える。だから自然と女性には優しく、紳士的にできるんだよ」と言った。

そして「俺は逆で、部下は女性の方がいい。女性には優しくできるし、どう扱えばいいかわかるから。男だと、自分と同じレベルを求めてしまって、なんでできないんだってイライラする」と続けた。

そこで社長は言った。

「こいつはな、表面上は女性に優しくしてるのに、中ではすごい男尊女卑的な考え方やねんな。だからな、表面だけ見てたらあかんねん。騙されてるぞ」

 

デザイナーさんはわたしと一緒にいた二十歳の女の子の考えていることを次々言い当て、彼女は「もうやだー」と頬を膨らませた。

彼は「俺らの仕事はさ、言われたことを言われた通りにできるのが最低ラインだから。常に言われたこと、客の期待値以上のものを作ろうとしなきゃならない。そのためには、口には出してないけどこの人はこういうことを考えてるんだろうな、こういうものを求めてるんだろうな、ってことを想像するんだよ。だからね、二十歳の女の子が考えてることなんて、ちょろいもんやで」と言う。

 

 

そしてもうひとつ。

「君がもし誰かを好きだとしたら、誰にも気づかれてないと思ってるのは君だけや。相手も、まわりもだいたい気づいてるねん。それで向こうが気づいてないふりしてるのは、優しさか、興味がないか、どっちかやな。でもな、わからんかったら進まんねん。」

とのこと。

もし万が一わたしの好意が相手に伝わっていて、興味がないならそういう態度を示してくれよと思う。もしナシではないと思うのなら、それも示してほしいものだ。

 

わたしは、あまり他人の考えていることがわからない。コミュ症なのかなとも思ったけど、仕事とかでそういう必要性にかられると少しはわかるようになるのかもしれない。

 

ひとは考えていないように見せて本当は考えているものだ。

わたしももう少し考えられるようになろうと思う。デザイナーさんの言う通り。相手の言うことをそのまま受け取っているようでは最低限の仕事しかできないのだろう。

どうせするなら、相手の期待値以上のことをしたい。

 

 

誰かと会えば、その分学びがある。癒しもある。感情が揺さぶられたりもする。もちろん楽しい。

だからわたしは、人と会うのが好き。