Chikanism

現実と非現実のあいだ

あなたのためよ

ラブ・アクチュアリーという映画で、パーティーに参加した女性が片思いの相手である妻子持ちの社長に「綺麗だね」と言われたときに返したのが、「あなたのためよ」というセリフ。

普段は忘れているのだけれど、たまに思い出す。

 

面と向かってストレートに「綺麗だ」なんて褒めてくれる人もなかなかいないと思うけれど、万が一褒められても良くて「ありがとうございます」、せいぜい「いやいや〜」と答えるのが精一杯で、「あなたのためなの」なんて言えないだろうな、とぼんやり考える。

 

別に誰かのために着飾ってるわけじゃないし、わたしがかわいい服を着るのも、メイクをするのも、ある種武装だ。戦う準備なの。

 無防備な状態では社会を乗り切れないので、お気に入りの服を着て、ヒール履いて、かわいいネイルにして、メイクして、髪をセットして、「おっしゃー!」って気合い入れないとね、頑張れません。あと手を抜き始めるとどこまでも落ちてっちゃう。

自分がブスだって意識が人一倍過剰なので、容姿に関することに特に敏感なのかもしんない。どうしてもスーツが着たくないとか、好きな服を着ていたいとか、メイクやネイルや髪色に寛容な環境にいたいというのも全部、「わたしってどうしようもないブスだ」「社会はデブ・ブスに厳しい」っていう意識の果てかなって思う。

 

でもね、万が一にも好きな人が「かわいいね」って言ってくれたら「あなたのためよ」って言いたいのが乙女心だし、「ショートヘアが好き」って言われたら伸ばしかけの髪も切っちゃうのが恋じゃないかなっ。

何が書きたかったかわからなくなりました。