Chikanism

現実と非現実のあいだ

あなたに似合うと思って。

渡航日が5日後に迫った。日本でのすべての色んなことが、一旦終わりを迎える。

 

研究室に行くのは今日が一旦最後。

バイトは一昨日が最後。

高校からの親友たちには、3日前が最後。

大学の友人とかは、もしかしたら帰ってきてからももう会わない人もいるかもしれない。

 

バイトは正直、行きたくなかったのだが、どうしても人手が足りないというので行くことにした。

そうしたら新入社員の教室長代理が「今日で最後ですか?」と言って、餞別をくれた。中身はターコイズブルーとマスタードイエローのネイルエナメルだった。

「その色、似合うかなと思って。」

 

 

去年の誕生日、友人がポール&ジョーのリップをくれた。「ちかちゃんには、この色が似合うと思って」と。
それは明るめの濃い赤だったのだけれど、確かに似合っているような気がした。もしかしたら、気持ちの問題かもしれない。

 

 

あなたに似合うと思って、と選んでもらったものは嬉しいし、新しい自分を見つけたような気持ちになる。

自分に似合う色なんて、自分ではイマイチわからないから。似合ってるよ、と言われたら「そうなのかな」と思うしかない。(不思議なことに、似合わない色と物はわかる)

 

 

わたしは最近はずっとショートヘアにしている。去年は胸の下あたりまで髪を伸ばしていたけれど、短い方が明らかに評価が高いし、だいたいの人が「ショートの方が似合う」と言ってくれるのだ。

自分の好みで言えば、ヘアアレンジが好きなのでロングヘアの方が楽しいのだが。

よく似合うって言われるからショートヘアにしている、と言うと、こないだ美容師さんに「女の人って他人に流されますよね」と言われた。

 

もしかしたら流されているのかもしれないが、多くの人が似合うと言ってくれるのだからその意見を大人しく聞いた方が良いと思う。

だって、似合う髪型の方が自分の持ってるポテンシャルを最大限に発揮できてるんじゃん?隠しとくのは勿体無いでしょ?

 

これが単に「日本人は黒髪のほうが良い」って意見なら聞かないけど、「わたしに」似合うって大切な人が言ってくれるなら、それはおそらく本当にそうなんだと思う。自分のことを客観的に見るのは難しいから。(後から写真を見ると気づいたりする)

 

 

あなたに似合うと思って、と選んでくれたプレゼントは、プレゼントをくれる行為自体にも、自分では気づかなかった自分に気づかせてくれたことにも、ありがとうと思うのだ。